前回『230807 PA用スピーカー Clarion MS-2100Aを JBL Control 1...』の続きです。
カーオーディオ用スピーカー Clarion GS-528 ジャンクを入手しました。ron-riku-2505さんのブログに 84’年4月前頃に生産したと紹介されています。この年代のスピーカーには 知る人ぞ知るアイデン製が使われています。
ツイーターに納入番号4008(ron-riku-2505さんの情報)と記載してあるのでアイデン製であることを確認しました。
アイデンは OEM供給が主なので市販品は僅かだったのですが、それでも多くのファンがいる愛されたスピーカーメーカーです。
🗿Clarion GS-528の内部をチェック🗿
グリルの破損がジャンクの理由だそうですが、40年前のものなので他にも色々問題がありそうです。
状態の悪い方の右スピーカーを開けて、内部をチェックしました。

- グリル・ケースの破損
グリルの2ケ所とケースのインサートナット部2ケ所に破損があります。 - ツィター
エッジに付いた汚れを綿棒で拭き取ろうしたら、コーン紙が破けてしまいました。水濡れが原因と思われるタワミもあります。
もう一つの方は、穴が開いていてビニールテープが貼ってありました。既に分解されてイジられていました。⇒ 貴重なアイデン製ですが、残念ながら交換する予定です。 - ウーファー
マグネットには水濡れによるカビみたいな汚れ(前々の画像)があります。
外して表側から見ると、(布)エッジはカサカサに固まった感じで凸凹に変形しています。また、コーン紙に水濡れによるシミがあります。
音は一応出ます。ボイスコイルの当たりなどはありません。
⇒ エッジを修復して使う予定です。 - ネットワーク回路
ネットワーク回路は LC 12db/oct(4Ω)の本格的なものが使われています。年代物なので、コンデンサーの劣化は考えられますが、代替品の入手は可能です。
⇒ チェックして使う予定です。
🗿メンテナンス作業🗿
ケース・グリル
器具で固定して瞬間接着剤で補修しました。ケースのインサートナット部にも瞬間接着剤を流し入れて固定しました。
ツイーター
同じ様な形状のツイーターをヤフオクで入手しました。
SHARPと記載されています。
ネジ対角ピッチ 6.5㎝、開口 6㎝
インピーダンス 8Ω
注:室内用なので車載用としては使えません。
ウーファー
YouTubeなどを参考にして、HINO Audioのエッジ軟化剤を入手し(布)エッジに塗布してみました。
カサカサだったエッジが柔らかくなって、蒲鉾型の丸みが戻ってきました。軟化剤の油分がコーン紙に染みてマダラになってきました。
箱なしの単体でスマホのスペクトラムアナライザーで周波数特性を見てみました。問題なさそうです。12~3KHzくらいまで確認できるので、フルレンジ仕様かもしれません。
予定通り使用することにしました。
🗿組立🗿
吸音材は黄色いフェルト材です。グラスウールや安っぽい屑フェルトでないので好感がもてます。
🗿動作確認🗿
ハイ上がりのうるさい音
参考⇒『231115 トリッキーな音 PC用スピーカー OROROW...』ピンクノイズ音源を鳴らした瞬間、“うるせー”と感じたのですが、スマホでも〇のところ(4~7KHz)が急に高くなっていてうるさそうです。音楽ソースでも尖ンがった感じに聴こえます。
ネットワークのコンデンサーの劣化はあるとは思いますが、ツイーター側の方は音が出なくなる方向なので、“うるせー”の原因ではないようです。
ツイーターを戻して確認
交換したSHARP製のツイーターとの違いが気になったので、一旦、オリジナルのアイデン製のツイーター(テープが貼られたマシな方)に戻して確認しました。20~20Khz スイープジェネレーター音源(YouTubeでDL)で確認すると、SHARP製のツイーターと同じように4~7KHzが高くなっていました。
(スピーカーの後ろにもハイ上がりのF特図が印刷してありました)
GS-528はもともとハイ上がりのうるさい音造りであることが分かりました。
乗用車のリアウインド下の窪んだ場所に設置するスピーカーなので、意図的にハイ上がりにしたと思われます。営業的にも、ショップでうるさい音(パンチのある?)で目立つ方が売りやすかったのかも?。
居間で使いたいので、普通のフラットなスピーカーにチューニングすることにしました。
ネットワーク回路は弄らないで、ツイーターに10Ωの抵抗をシリーズに追加しました。
うるさい感じはなくなり、音楽ソースでもいい感じになりました。今度は 2~4KHzが凹んでしまいました。
スイープジェネレーター音源で確認すると、確かに2KHzのちょっと上が少し凹んで聴こえます。
これを改善するには、ネットワーク回路をワンオフで改造するしかないのですが、部品の手配からになるので時間がかかります。また、素のウーファーの 2KHz辺りにも凹み(ウーファー単品の周波数特性参照)があるので、まっ平に調整するのは相当難しそうです。
🎲オマケ情報🎲
似たようなモデル
GS-516という似たようなモデルがありました。
こちらは ツイーター用のアッテネーター付きで周波数特性が平らです。スピーカーを取付けるバッフル板はアルミダイカスト製で、片側 3Kgだそうです🐘🐘。
当時のカタログ
'79/3 発売 販売価格 42,800円
オークション用の分解した画像
スピーカーはオンキョー製でした[納入番号4006と記載(ron-riku-2505さんの情報から)]。大きなアッテネーターも見えますが、何も書かれていません。直射日光の当たる過酷な環境で使われるので、アッテネーターを納入した部品メーカーはさぞかし大変だったろうと思います。
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Amazonに出品されていた安物
事前に次のスピーカーを手配していました。Amazonに出品されていた安物ですが、色が気に入りました。
スマホのスペクトラムアナライザーで周波数特性をみてみました。
周波数特性は上下のウネリが大きいし、6KHzには大きな段差があります。スイープジェネレーター音源を鳴らしてみると、同じように指向性が気まぐれで、聴く方向によって音量がコロコロ変わります。
しかも🐼🐼個ともです。
原因を調べてから捨てようかと思いましたが、TEAC S-300NEOに似てカッコだけは良いので、それに免じて卓上ピアノ専用で使ってヤルことにしました。😄
= Clarion GS-528のスペック =
生 産 '84年4月前頃
定 価 不明
ウーファー 120㎜
クロスオーバー 6KHz
質 量 2.2Kg(実測)