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2023年9月20日水曜日

230920 USB充電器を電源にしたサブウーファー付アンプの製作 HXJ8002 TDA8932 昇圧型レギュレータ XL6009

こんちはHousukeです。

前回(違うブログですが)『230428 カットオフ周波数可変 24db/oct. LPF キッチン用サブウーファーアンプの製作』の続きです。

半年前に製作したキッチン用アンプを作り直しました。
いくつかあった不具合を改善するのと、鬱陶しい電源アダプターを小さなUSB充電器に変更するためです。


🍆不具合を改善する🍆

  • 中華製Amp PAM8403の発熱が多い

    アンプに使っているICの発熱が大きく、ケース自体も熱くなります。アイドリング(idle current)電流はデータシートによると16mAとありますが、もっと流れていそうな気がします🐼。
    ケースが燃えやすいアクリル製なこともあるので、Amp基板を違うものにしました。
                   
    HXJ8002チップを使ったモノラルAmp。

    こちらのアイドリング電流は7~10mAだそうです。

  • iPadのボリュームを大きくすると音が歪む
    iPadのボリュームを大きくすると音が歪みます。ピアノのようなパルシブな音源だとよく判ります。スピーカーに耳を付けるとデジタルノイズも聞こえます。
    知識を総動員してチェックをした結果、デジタルAmpが出すノイズがブルーツース通信を妨害しているという結論になりました。
    ブルーツースは、スペクトラム拡散にスピードの遅いFH(Frequency Hopping 1600 hops/s)方式を使っているので、デジタルAmpなどの低い周波数と被ってエラーを発生しやすいと思われます。WiFiの方はさらにスピードの速いDS(Direct Sequence)方式なのでFHに比べ妨害に優利です。、デジタル無線の仕事を少しやったことがあるので思い出しました😅

    対策として、デジタルAmpにフィルターが無かったので、遅まきながらLCフィルターを追加することにしました。
    🙊インダクター(40μH)🙊
    ヤフオクで使えそうな安いコイルが出ていたので落札しました。10~20μHがよく使われていますが、大は小を兼ねるかも...

  • 大音量で鳴らしたい
    キッチンとは言え、たまに大音量で鳴らしたい時もあるので、ウーファー用のAmpを出力の大きなものに替えることにしました。
    🙊TDA8932モノ35WデジタルAmp🙊
    動作電圧は10~30V


🍆電源アダプターを小さいUSB充電器に変更🍆
USB電源の5Vをレギュレーターで昇圧します。電源電圧は出したい音量と発熱具合、またUSB電源のパワーによっても変わりますが、様子を見ながら12~15Vくらいに設定する予定です。
🙊XL6009 昇圧レギュレータ🙊



🍆製作🍆
🙊ブロック図🙊

🙊回路図・パターン図🙊
<Mixer部>

<サブウーファー LPF部>
<PowerAmp部>


🙊外観🙊
<上>
ギュウギュウ詰めになってしまいました。LR側のボリュームは付ける場所が無くなって空中配線です。

<前>

<後>

<裏>
右の方に4つ付いている緑色のフィルムコンデンサー3900pFはデジタルアンプのLCフィルターのCです。高域の周波数特性の良いセラミックコンデンサーにしたかったのですが、手持ちがなかったのでとりあえず使いました。


🍆対策効果のチェック・試聴など🍆
  • 中華製Amp PAM8403の発熱が多い
    発熱が多いPAM8403HXJ8002、TDA8932に替えた対策の効果を温度計で確認しました。
    夏場のキッチン35℃の環境で、Youtube番組を再生時、内部温度が38℃と問題ないくらいに改善しました。

  • iPadのボリュームを大きくすると音が歪む
    スピーカーラインにLCフィルターを入れる対策で、ブルーツース通信で発生する歪はなくなりました。
    と思いきや、今度はウーファーアンプにノイズが出るようになってしまいました。昇圧用レギュレーターとウーファーアンプ、その前段のOPアンプ回路がグルになっていて対策は相当難しそうです。HiFiオーディオとしたらアウトですが、実用上聞こえないので、次回の宿題としました😉😉。

  • 大音量で鳴らしたい
    キッチンとしてはこのくらいでいいだろうくらいに、音量を大きくした時のUSB電源の電流(RMS/平均)を測ってみました。

    電流は最大で 0.2Aくらい、消費電力にして約 1Wでした。
    ウーファーアンプの電源電圧は 12Vにしています。
    USB充電器は、1,000円前後で売られている急速充電タイプ 2.0A(10W)のものを使いました。
    ウーファーアンプの電源電圧を 13V⇒14V⇒15Vと上げていくとだんだん大きな音量が出せるようになります。が、音量がリミットを超えたところで、❝バコッ、バコッ❞といった、昔のアナログパワーアンプの歪とは違う破裂音のようなノイズが、より大きくなります。これはUSB電源の過負荷による動作の破綻が原因だと思います。
    また、電源電圧を高くしていくとアイドリング電流が増えてきて、それに伴いケースの温度が高くなります。
    電源電圧 12V以上の大音量化は、安定性・安全性を含めてまた別の機会にやってみたいと思います。

    その他
    大きな電源アダプターをUSB充電器にしたことで、コンセント周りがスッキリしました。
    これでもスッキリしたのですが😉...。


概ね、狙い通りの改造が出来ました。
iPadの歪については、ブルーツースの仕様まで疑ってしまいましたが、違っていてフィルタのないデジタルアンプの出すノイズが原因でした。
重低音も大きく鳴るようになりましたが、一方ウーファーアンプ側にレギュレータが原因と思われるノイズが大きくなってしまいました。次回はなんとか改善したいと思います。
お楽しみに...

電源は元の大きなアダプターに戻ってしまいましたが、トータルではより良くなったアンプが出来たのでご紹介します。
⇒『240111 三代目キッチン用 24db/oct.周波数可変LPF...


🎲 メモ 🎲

  • インダクター40μH 14個 (ヤフオク 380円 送料 無料)
  • ATOZS TDA8932モノ35Wデジタルアンプ ×2(Amazon 967prime
  • VKLSVAN XL6009 4A 昇圧型レギュレータ ×3(Amazon 698prime)
  • Ren He HXJ8002モノラル3Wパワーアンプ ×10(Amazon 899prime)

🎲 おまけ情報 🎲
今回使ったAmpと似たような色かたちで、
次のTPA3118を使ったユニットがAmazonで出回っていますが要注意です。
ノイズが大きくて使えません。2個買って1個を返品、1個を廃棄しました。カスタマーでも似たような評価です。

2023年9月11日月曜日

230911 accutronics Digi-Log リバーブモジュールBTDR-3 を使ったサラウンド・エフェクターの製作

こんにちはHouskeです。


前回(違うブログですが)『230519 PT2399(松下製MN3005 BBD後継)を使ったステレオ音源が広がって聞こえる...』の続きです。

accutronics Digi-Log製のリバーブモジュール BTDR-3を使ってサラウンド・エフェクターを製作しました。価格などは最後の方に記しています

楽器業界向けのエフェクターでは老舗のメーカーです。accutronicsDigi-LogBeltonなどのワードでググるとAmazonや海外通販サイトにサウンドエフェクターやその関連のパーツがヒットします。

前回のブログでご紹介したサラウンド・エフェクター本体を流用して製作しました。
🎋回路・機能🎋

  • ステレオ音源を一旦モノラルにして、リバーブモジュールBTDR-3 INに入れ、残響化されたOUT1、OUT2をそれぞれを元のステレオ音源にミキシングします。OUT2は位相をOPアンプで反転しました。(音場が広がる効果を狙いました)

  • 230Hz LCF 6db/oct.回路を入れて、低音域をカットしました。BTDR-3の参考回路にも同じような LCFが入っています。

  • スピーカーも鳴らせるようにUSBアンプを付けました。調整するときなど何かと便利です。

  • 出力は原音残響、と残響のみの 2通りの切替SWを付け、キッチン用サブウーファーアンプで使う以外に、単独でスピーカーを鳴らすことができるようにしました。

🎋製作🎋
🔨パーツ類🔨
4つ目基板に手作りしたMixing回路、Delay回路、BTDR-3の小基板の三つと、アマゾンから購入したUSB電源アンプなどを百均のアクリル製ケースに組込みました。
<Mixing回路>
実際の組立作業時に使った、回路図付きの裏表パターン図を載せました。
<Delay回路>
<BTDR-3の小基板>

<USB電源アンプ>
KKHMF PAM8406 デジタルパワーアンプボード
Amazon 750円 配送料 150

<アクリル製ケース>
泉化成 クリアケース ワイド 181㎜×100㎜×31㎜ (セリア 税別100円)


🔨外観🔨
<上>
<前>
<後>
<裏>


🎋動作チェック・調整、その他🎋
🐰パルス音源で動作チェック🐰
パルス音源(YoutubeでDLできる『心電図音』)を使って動作チェックをしました。
エフェクターの音量は最大にしました。
音量を調整する半固定抵抗はBTDR-3の小基板に組込んでいます。

リバーブなし(パルス音源のみ)

リバーブ(半固定抵抗 Pot1,Pot2 Position:0%)


リバーブ(半固定抵抗 Pot1,Pot2 Position:20%/約10KΩ)

リバーブ(半固定抵抗 Pot1,Pot2 Position:100%/50KΩ)

🐰音声や環境音で調整🐰
音楽ソースは、もともと残響が多めに仕込まれているものがあって分かりづらいので、ニュースなどの音声や環境音で調整しました。
リバーブの長さはの中間(半固定抵抗10% 5KΩ)くらいがちょうど良いようです。エフェクターの音量は、音空間が少し広がったくらいのところに調整しました。原音と比べて、5~10%くらいの音量にするイメージです。

🐰その他🐰
詳しい資料がないので推測の範囲ですが、このREVERB MODULE BTDR-3は、4000段くらいのBBD(Bucket Brigade Device)を使っていると思います。
Pot1、Pot2の半固定抵抗でリバーブの長さ(帰還量)を可変できますが、クロック周波数は固定になっています。BTDR-2というモデルもありますが、こちらはリバーブの長さも固定になっています。
市販のサラウンドアンプやカラオケに付いているなんちゃってエコーとは違って、フワッとした鉄板式エコーのような完成度の高い音質だと思います。


🐰PUSU カーディオ用 DSP🐰
今回のようなエフェクターは、音楽制作用のソフトウエア(DTM,DAW)としてはたくさんあるのですが、スタンドアロンでリアルタイムに使えるハードとしてのものが中々ありません。
そん風で探していると、割と近いものがありました。
中華製のPUZUというブランドで、2~4万円くらいの価格でAmazonで販売されています。
≣本体≣
≣操作イメージ≣
カーオーディオに特化していて、トヨタなどのハーネスとセットで、カーメーカー別対応のパッケージになっています。
商品の特長としては、車室内の再生音のEQ特性・スピーカーの時間差などを、デジタル処理で補正・調整することだそうです。そのパラメーターはスマホで設定できます。

今興味があるのはサラウンドやリバーブ機能なので、カーオーディオに限らないで続けて探しています...
それでは、次回お楽しみに...


🎋付録🎋
DIGI-LOGTM REVERB MODULE BTDR-3 の入手
フジシマカスタムギターYahoo!店:4,301円(送料170円)/海外取寄せ
注文から20日間くらいで受取りました。

参考⇒Digi-Log Reverb Module (Btdr-3) : A Great Digital Reverb Sound That Easily Replaces A Spring Reverberation Unit