元サービスエンジニアのライフワークオリジナル: 9月 2022

2022年9月20日火曜日

220920 ステレオ音源用のサラウンドアンプ(BBD PT2399)製作前編

こんにちはHousukeです。

Amazonでエコー基板を見つけたので、なつかしくなって思わず購入してしまいました。

📻 elfin203 エコー基板(PT2399使用) サラウンド／ディレイ／Echo／Reverb 📻
Amazon 560円 Prime

📻 昔話を少し... 📻

50年近く前のことですが、アマチュアバンドをやっていて、その演奏を録音することがありました。ところが、録音した音は売っているレコードなどとは歴然と違っていました。演奏の上手い下手は別にして、その一番の違いは残響効果(エコー)がないことでした。

当時、レコーディングスタジオで録音を編集するとき、残響効果(エコー)を加えるには鉄板エコーと呼ばれる装置が使われていました。

＝鉄板エコー(EMT140 ドイツEMT社 1957年発売) ＝

ユニットの大きさは単体で長手2.5メートルあって、システムとして組むとなると専用の部屋が必要になるそうです。値段もさることながら、一般人が使うものではありません。

実現できるものとしては、スリーヘッドのオープンリールデッキの録音・再生機能を、エコー装置として使うなんて方法もありました。

＝オープンリールデッキ＝

バンドの練習場所が音響メーカーの工場だったので、勢いで使ったことはことはありますが、音響専門のスタッフがいるわけではないので、毎回セッティングするのには大仕事過ぎます。

一般的なものとしては、長さ20～30cmくらいの大きさのスプリング式エコー(リバーブ)というものが、あることはありました。

＝スプリング式エコー＝

(今だに通販やオークションで見かけます)

ちょっと高級なギターアンプには付いていました。

年配の方は見たことがあるかと思いますが、この頃の居酒屋や旅館などによくあったテープ式のカラオケにも使われていました。

しかし、このスプリング式エコーから出てくる音は、例えれば

温泉や銭湯の大浴場の湿った反響音を不気味にした感じです。

ライブ演奏や録音アイテムとしては、どうしても欲しいエコーなので幾つか試してはみたのですが、ポップスサウンドとはアンマッチです。アマチュアバンドとはいえ、このスプリング式は使う気になれませんでした。

＝ BBDの発売＝

間もなくして(’75年頃)、松下電器からBBD(Bucket Brigade Device)というエコー用のICデバイスが発売されました。

(画像はネットオークションから拝借)

原理としては、音源を適当なクロックでサンプリングしたデータを、500～3000段のメモリに記録し、順繰りに送って時間が遅れて出てきた音を、ループ帰還(定在波化)させるなどして、リバーブ(残響音)として使うものです。段当たりの遅延時間を稼ごうとして、クロックスピードを遅くすると再生周波数帯域の高域は落ちてきますが、それでもスプリング式に比べると月とスッポン、はるかに高品質な音です。

このBBDが発売された時、さっそくエコーマシンを作りバンド仲間で重宝されました。遅延時間の違う複数の遅延ブロック(確か4つ)をリング状に繋いで、ステレオの入出力やループ帰還を自在に設定・可変できるようにしたものだったと記憶しています。

カラオケ機器メーカー各社も、77年頃からこのBBDを使った電子エコーを採用し始めました。

(JKAカラオケ歴史年表参照)

50年近く経った今でも、主に音楽業界向けのサウンドエフェクターやボイスエフェクターなどに使用されています。

📻 期待はずれのサラウンドアンプ 📻

長いことオーディオを趣味にしているつもりなのですが、リスニングルームと言えるような部屋を持ったことがありません。そのせいか一時サラウンドアンプには興味があっていくつか試してみました。

＝試してみたサラウンドアンプ＝

ところが、当時はやりの 5.1chだの 7.1chだのといったDVDホームシアターの再生には特化していますが、日常一番よく使う２CHステレオ音源の再生にはオマケ程度の安っぽいエコーが付いているだけでした。たたみ六畳間で広がりのある音場を再生してくれることを期待したのですが、そういうものではなかったのでいつの間にか使わなくなって処分してしまいました。

パソコンのサウンド効果にも、残響を模した環境の設定があるのですが、有料も含めてどれもこれもクドイので使う気になれません。